「あの法律事務所はどんな事務所?」意外と知らない「働く場」としての法律事務所を、編集部があなたに代わって取材します。編集が見たオフィスのこだわりや工夫もご紹介。
「当事務所は、主に国内部門を手掛けていた東京丸の内法律事務所と、国際部門中心の春木・澤井・井上法律事務所の新事務所として、2006年5月に誕生しました。事務所設立の源流は国内部門は昭和20年代、国際部門は昭和30年代。長い歴史の中で培ってきたノウハウと得意分野を融合させて専門分野を広げたい。それが合併の目的でした」。そう語るのは、代表の宮川勝之弁護士。
今回取材に訪れた東京丸の内・春木法律事務所は、国内・国際の一般企業法務を中心に、幅広い案件を取り扱う。オフィスは、再開発でにぎわいを見せる丸の内。現在、国内部門21名、国際部門12名の弁護士が活躍している。
「一般的にはパートナー1名とアソシエイト1・2名が組んで案件にあたります。案件取り扱い数は、一般企業法務60%、倒産関係、知的財産などの各専門分野の業務が40%です。長い歴史を持つ事務所ですので、クライアントとは付き合いが長く、老舗企業が多いのも当事務所の特徴。企業法務は担当者との信頼関係が第一なので、クライアントの事情や課題を深く理解したメンバーが継続して担当するようにしています。一方で、専門分野を広げたい、開拓したい場合は、案件を自ら獲得したり、所内の案件にチャレンジしたりする機会が豊富にあります。メインの案件を担当しながら、自身の専門分野を拡大・追究できる点は当事務所の魅力の一つだと思います」
若手の育成はOJTが基本という同事務所。詳しい話を広報担当の内藤滋弁護士(50期)に聞いてみた。
「資料作成一つとっても、ドラフトを丁寧に添削したり、議論で発言させたりして、基本をしっかりと教え込むスタイル。そういった意味では、事務所の雰囲気はゆるやかな体育会系といえるのかな(笑)」
ところで同事務所(国内部門)では「今まで辞めた弁護士は一人もいない」というから驚きだ。理由は、事務所の仕事をきちんとこなすことを前提にしながら、自分が興味を持った仕事を好きなだけできること。そして事務所として10年目にパートナーとなるだけの実力を培うことをアソシエイトに期待しているため、将来像や目標を持って働くことができる点などにあるようだ。さらに女性弁護士が多数活躍している点も同事務所の特徴の一つ。出産育児を経て復帰するケースも珍しくなく、働きやすい環境づくりにも積極的に取り組んでいる。
また二つの事務所が合併することで、国内と国際、両部門間での人材の融合もさらに加速してきたという。
「国際的な倒産という例をとると両部門で人材の行き来が生まれ、アソシエイトにとってもチャンスが広がります」(澤井憲子弁護士)
最後に同事務所の今後の展望を聞いた。
「堅実な中規模事務所として、20年近くお付き合いのあるクライアントのケアを第一に行うこと。その上で、これまで取り組んできた分野の専門性を伸ばし、より充実したリーガル・サービスを提供したい。例えば特許や倒産、証券化など、それぞれに専門家が何人もいて、そのサービスを永続的に行っていく。そんな姿を目指したいですね」(宮川弁護士)