「あの法律事務所はどんな事務所?」意外と知らない「働く場」としての法律事務所を、編集部があなたに代わって取材します。編集が見たオフィスのこだわりや工夫もご紹介。
「私の信条は、気軽に相談ができ、人間味あふれる法曹であること。法律はいたずらな紛争を避け、人間としての幸福を追求する一手段。『名医』でなくとも『良医』として、社会の一隅を照らしたい」。そう話すのは、山田・尾﨑法律事務所の山田秀雄弁護士。
山田弁護士は1992年に山田秀雄法律事務所を現在のオフィスがある赤坂に設立し、2004年に山田・尾﨑法律事務所に名称を変更。開業以来、企業法務、一般民事事件のほか、セクシュアルハラスメントやドメスティックバイオレンスなどの分野では草分け的存在として多くの企業や個人の指導に当たり、関連著書の出版やマスコミへの露出も多数。第二東京弁護士会の副会長および広報室長、広報誌「NIBEN Frontier」の編集長といった会務も精力的にこなすなど、多彩な顔を持つ。
「企業法務と、相続、不動産トラブル、離婚、交通事故などの一般民事事件が案件の主流ですが、そのほか、刑事事件や、セクハラ、民事介入暴力、ストーカー問題と幅広い案件を扱います。いうなればコンビニのようなもの。中には、費用はいただけなくても社会的な意義があるので引き受ける…といった事件もある。『困っている人を助けたい』というのが私のコンセプト。経済的な合理性はないけれど、そこに公益性があれば弁護士としての本分を全うするスタンスで臨みます」(山田弁護士)
また現在、所属弁護士は10名。日弁連民事介入暴力対策委員会の副委員長を務める尾﨑毅弁護士(47期)をはじめ、事務所全体として会務活動も積極的に行っている。
「若い人には、弁護士としての業務活動をきちんと行いつつ、何か一つでも自分の興味の持てる公益的な活動をやればいいと言っています」(山田弁護士)
特化しているのは、セクシュアルハラスメントやパワーハラスメント、ドメスティックバイオレンス、ストーカー問題の分野。事件数が多く、講演やセミナーの依頼、啓発ビデオの制作など、関連業務は非常に多い。
「昔はセクハラ問題を女性の側にだけ立って声高に叫んでも、企業は腰をあげてくれませんでした。そこで企業にとって重要な『リスクマネジメント』という観点から、セクハラ問題に関する著書を出版。世の中に受け入れられた結果、企業が本気でセクハラ対策に着手してくれました」(山田弁護士)
さらに、メディアへの露出の多さも同事務所の特徴。「テレビ局やラジオ局のメディアチェックの仕事は今も多くあります。テレビは公平な放送が第一義ですから、時には番組に出演して意見を調整するような役回りを求められたこともありました。オウム真理教問題のころは最盛期でしたね」(山田弁護士)
最近では若手弁護士にもテレビ出演や講演などの機会を提供している山田弁護士。今後について聞くと、「今の10人程度の規模で仕事のクオリティーをあげ、良質なリーガル・サービスを提供したい。目指すのは一人一人が専門分野を持ったプロ集団。かつ、『ヒューマニズム』。顔が見えるコミュニケーションを大切に、困った人を助けていきたい」という答えが返ってきた。弁護士になった当初から軸と
なる部分はぶれていない。この熱いスピリッツこそ同事務所の最大の強みではないか。