「あの法律事務所はどんな事務所?」意外と知らない「働く場」としての法律事務所を、編集部があなたに代わって取材します。編集が見たオフィスのこだわりや工夫もご紹介。
「親しみやすく相談しやすい法律事務所をつくろう」という理念を掲げ、2007年に設立された一途総合法律事務所。そのオフィスは、青山一丁目駅から徒歩1分という好立地。扱う案件は、事業再生・倒産法務、労働法務といった企業関連から、離婚、相続、遺産分割といった個人の相談まで多岐にわたっているが、それは代表である水嶋一途弁護士(57期)が持つユニークな経歴に由来している。
大学卒業後、ゼネコンに入社するも不況下で断行されるリストラを人事担当者として目の当たりにして「自分自身に価値があり、人の役に立てる仕事をしよう」と弁護士の道へ。2004年、大型倒産・事業再生事件のエキスパートとして知られた当時の坂井・三村法律事務所に入所。そこで弁護士としての礎を築く。事業再生、倒産法務案件を今も扱うのは「大規模な管財事件など、現場に踏み込んで社員と一体になり悩みながら問題を解決する。そうした人間味あふれる現場に充実感を得られる」からと語る。そして前事務所の理解を得て独立を決意。現在、上場企業や業界大手などの顧問を含む企業関連の案件が6割。さらに、独立の起因ともなった個人からの相談が4割というバランスだ。これまでに築いてきた信頼関係も厚く、紹介案件が7割と多い。クライアントに徹底的に寄り添うことでも評価を得ている事務所だ。
一方で、新規クライアントへの戦略的なアプローチも積極的に試みている。まだまだリーガルサービスが社会全体に行き届いているとは言えない現状がある中、「どう利用していいかわからない方々により利用してもらえるように」という思いからだ。まずは立地へのこだわり。アクセスの良いハイセンスなレジデンスを選んだのも、信頼性を考慮してのこと。良質なクライアント層を獲得するという点でも効果がある。
インターネットの有効活用も同事務所の特筆すべき点だ。「弁護士も極論すればサービス業ですから、クライアントが何を求めていて、自分は何が提供できるのかということを常に考えています。自分から情報を発信していくことは、大事ではないでしょうか。ホームページなどを通じて、事務所の場所、リーガルサービスの内容、費用などを明確にアナウンスしています」。インターネットを通じた集客効果も表れてきている。さらに今後は、PCからモバイルへ移行することも予想。「その時代に合わせて、クライアントがどのようにアクセスしてくるかを考え、その場所に情報を置いていくべきだと感じています」
若く、感覚の鋭い経営者ならではのアイデア、戦略性と時代の流れをとらえる姿勢に満ちた新進気鋭の事務所なのである。
今後、弁護士の数も増やしていく予定ということで、展望を伺ってみた。「規模にこだわるのではなく、目の届く範囲で納得できるクオリティの仕事をしながら着実に事務所をつくっていきたい。なぜ弁護士になりたかったか、どういう仕事がしたかったかを忘れずに、事務所の方向性を考えていきたいと思っています」