「あの法律事務所はどんな事務所?」意外と知らない「働く場」としての法律事務所を、編集部があなたに代わって取材します。編集が見たオフィスのこだわりや工夫もご紹介。
隼あすか法律事務所は、隼国際法律事務所とあすか協和法律事務所からの有志により2007年に設立。知的財産権、ファイナンス、労務、倒産処理などに強みを持つ
「隼」側と、主に事業再生を得意分野としていた「あすか」側の二つの事務所が一緒になったことで、国内の企業法務にフル対応できる体制が築かれた。
「ファイナンスが強い柱ですが、最近では知的財産権にも力を入れて伸ばしています。ファッションブランドなどの保護については以前よりサービスの提供をしてきましたが、最近は知的財産権に興味を持たれる企業のすそ野が広がっており、リスクマネジメントの観点からの相談案件も増加しています」と語る角田邦洋弁護士(53期)。こうした分野をはじめ、企業法務全般について業種を問わず国内の大手・中堅企業、さらには海外のグローバル企業からの幅広い相談に応じている。
「当事務所の特徴を一言でいえば、風通しの良さ。裁判官や検事出身、企業内弁護士、金融庁出向経験者など、多彩な経歴を持つ弁護士が集まり自由に議論をしながら
チームで案件に取り組んでいます。一つの訴訟を多様な視点で分析できることが強みです」(多田光毅弁護士・54期)
弁護士は約40名。お互いの顔が見える規模で、複雑な相談にも各弁護士が専門性を生かしながら横の連携を取ることで、多角的かつ柔軟な対応を可能にしている。
また、同事務所では若手弁護士の自主性を非常に重視している。「1年目からリーダーシップを持って案件に対応してもらいます。若手は管理されるのではなく、現場の最前線で自主性を発揮しながら、将来専門性を高めるために必要な基盤となる知識や経験を積みます」(多田弁護士)。同事務所は、案件によってチームを組んでいるが、多様な分野の仕事に携わることも若手の基礎力・総合力の強化になっている。また、手を挙げれば挑戦したい案件のチームに入ることも可能だ。「若手が受け身にならずに、積極的に意見を発信しているところに、大きな活力を感じています」(角田弁護士)
さらに、新人弁護士の採用でも若手の自主性を尊重したユニークなシステムを有する。「履歴書などを見てまず若手が候補を選び、その後面談などを通じて候補を絞っていきます。パートナーの判断が入るのは最終段階だけです」(多田弁護士)。こうした方法が単に成績だけに偏らない、人物重視の好採用にもつながっている。「実際に新人の面倒を見るのは若手ですから、ほんとうに共に働きたいか、人をよく見た判断ができるのでしょう」(角田弁護士)
隼あすか法律事務所として再出発して3年目に入り、元の二つの事務所が持っていた文化の融合もうまく図れてきているとのこと。「今まで以上にフルサービスができるよう、規模はさらに拡大していきたいと考えています。そのためにも、一案件に複数の弁護士を介在させ、複合的な視点から解決策を提示する体制でサービスの質の向上にさらに努めていきます」と多田弁護士は今後の展望を語ってくれた。