「あの法律事務所はどんな事務所?」意外と知らない「働く場」としての法律事務所を、編集部があなたに代わって取材します。編集が見たオフィスのこだわりや工夫もご紹介。
シティユーワ法律事務所は、企業法務全般を網羅し、110名の弁護士を有する国内でも十指に入る規模を持つ法律事務所だ。弁護士のバックグラウンドは多彩で、企業内弁護士や外国弁護士事務所でパートナーとしての経歴を持つ弁護士、弁理士、公認会計士、外国弁護士などの資格所有者がそろう。「多様な経歴を持ち、ポリシーが異なる弁護士が気持ちよく仕事ができるよう設立当初から工夫をしてきました。各パートナーの発言力、マネジメント、分配などはすべて公平です」と語るのはパートナーの栗林康幸弁護士。同じくパートナーの片山典之弁護士は、「風通しが良いというのが当事務所の特徴です。設立時に、互いに尊重し合い、協調性を大切にすることを理念とし、それに賛同する弁護士が徐々に集まり、現在のような各自がそれぞれの業務内容に適したやり方で仕事ができる組織を築いてきました。新人弁護士の定着率が高いのもこうした自由な風土が定着しているからだと思います」と環境の良さを語る。
同事務所では、アソシエイトの育成も風通しを良くし、居心地の良い場所を自らで作れるようにしている。「アソシエイトとパートナーの仕事の関係は固定せず、多様なパートナーとアソシエイトが組んで、仕事ができるようにしています」(栗林弁護士)。新人弁護士は、入所後1年かけて金融、訴訟・紛争、企業法務の3分野をローテーションで回る。いろいろなパートナーの仕事のやり方に接する機会を得て、自分の適性をつかんでいくことが狙いだ。さらに、同事務所では業務分野ごとのグループがあり、弁護士は専門に応じて一つないしは複数のグループに所属し、情報共有などを図っている。アソシエイトは、自分の深めたい仕事、広めたい領域が選択できる。「規模が大きくなるとパートナーもアソシエイトの状況をすべて把握することが難しくなります。どのグループに属するかは、アソシエイトがどういう仕事をしていきたいかの意思表示にもなり、パートナーにとってはどのアソシエイトに仕事を依頼するかの判断材料の一つとなるのです」(片山弁護士)。「自ら所内で仕事を見つけていかなければならないという厳しい面もありますが、依頼者のニーズを的確につかむスキル、主体的に仕事を得るという弁護士に必要な力の訓練にもなっています」(栗林弁護士)。
設立以来、7年で規模、取り扱い案件共に着実に拡張を遂げてきた同事務所であるが、今後の展望はどのように考えているのだろうか。「これまでも、いつまでにこれくらいの規模にしたいと計画して拡張してきたわけではありません。社会や経済の動向、クライアントからの要望に応じていくために、結果として規模が拡張したといったほうが適切です。今後もそうした姿勢は変わらないと思います」と片山弁護士。「経験ある弁護士はそろっているものの事務所としてはまだ若く、歴史を作りながら強化していくべき分野は数多くあります。業務が細分化している時代、事務所としての対応力をさらに高めていきたいと思います」と栗林弁護士は語ってくれた。