弁護士・法務の転職|バックナンバーのご案内


「あの法律事務所はどんな事務所?」意外と知らない「働く場」としての法律事務所を、編集部があなたに代わって取材します。編集が見たオフィスのこだわりや工夫もご紹介。


「一般市民に法を届けたい」という思いを代々継承し地域に寄り添い歩んできた、人情味あふれる法律事務所

 中村法律事務所は、先代の中村護弁護士が1955年に事務所を開設して以来、吉祥寺および東京多摩地区を代表する法律事務所として発展してきた。「地域の人が抱える問題は、すべて受けられるような事務所を目指しています」と現所長の中村一郎弁護士が語るように、一般民事、家事事件から、刑事事件、都下2市の顧問弁護士として行政関係事件、そして地元企業を中心とする企業法務まで幅広い分野を取り扱う。また、市や商工会議所などの団体が主催する法律相談にも参加。これも「何か問題があれば気軽に相談できる法律事務所でありたい」(中村弁護士)という同事務所の理念に基づく活動の一つだ。
 こうした幅広い案件を11名の所属弁護士で分担しているが、同事務所では各案件を必ず2名以上の弁護士で受け持つ。「特に個人依頼者にとっては、法律相談は一生に一度の場合が多く、そうした大事な局面で依頼者に不利益を生じさせないため」と中村弁護士は語る。メイン、サブと区別するのではなく、各弁護士が主体となって案件にかかわる。互いに書面のチェックをし合うことでミスを防ぎ、事案の把握、法律的な論点、見通しなどを徹底的に議論することで、高度な解決案を導き出すことができる。常に依頼者の利益を最優先に考え、最善を尽くすというのが同事務所のやり方だ。また、複数で案件を担当することは弁護士にとっても有益となる。「案件ごとに組む弁護士は異なります。さまざまな弁護士と仕事をし、ディスカッションができる環境ですから、若手、ベテランを問わず互いに良い刺激を受けられます。当事務所では新人弁護士も急いで独り立ちさせるのではなく、じっくり育てるようにしていますが、多様な先輩弁護士と組んで仕事ができることで、仕事の成長ぶりも早いように感じています」と中村弁護士は語る。
 現在所属している弁護士は、1、2年目から同事務所で育ったいわば「生え抜き」ぞろいだ。入所後に独立する弁護士はもちろんいるが、同事務所に長く腰を据えて経験を積む弁護士が多い。弁護士の定着率が良いのは、同事務所の風通しの良い自由な風土も一因だ。「事務所全体の収入や年間の売り上げなど、すべてオープンにしています。また、勤務時間なども個人の裁量に任せていますし、弁護士会の活動などにも自由に参加できます。個人事件についても、各弁護士の判断で受任の可否を決められますし、それについての経費負担なども一切発生することはありません」(中村弁護士)
 もう一つ、同事務所を語る上で欠かせないのは、「中村法律研究室」の存在である。付属機関として司法試験の受験生に無償で勉強の場を提供、指導を行うものだ。25名程度の固定メンバーで自主的に研究室は運営され、ゼミや勉強会などを開催する。受験生にとって、つらい司法試験勉強の期間を支える場となってきた。現在運営されている研究室は1カ所のみだが、開設以来40年間で360名に上る司法試験合格者を輩出。出身者は、弁護士、裁判官、検察官などとして全国各地で活躍している。このような活動も、地域や社会に対する貢献を重視する同事務所ならではの事例だといえるだろう。

●所在地
所在地/〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町1-1-18
TEL:0422-21-3611
http://www.nakamura-law.gr.jp/

●1955年の開設以来、当時弁護士事務所がほとんどなかった吉祥寺および多摩地域に根付きながら、民事、家事事件を中心に幅広いリーガルサービスを提供する。親子代々のクライアントがいるなど、同地域でも屈指の歴史、規模、実績を持つ法律事務所。現在、弁護士11名、税理士2名、事務スタッフ7名が所属する。
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