「あの法律事務所はどんな事務所?」意外と知らない「働く場」としての法律事務所を、編集部があなたに代わって取材します。編集が見たオフィスのこだわりや工夫もご紹介。
企業法務分野において、大阪屈指の実績を誇る弁護士法人第一法律事務所(以下、第一)。
「第一は創設以来、クライアントからのご依頼に着実に対応する中で成長してきました。会社法、労働法、倒産法などを中心にすそ野を広げ、近時は知的財産権法やIT関連法、クロスボーダー取引などを専門とするメンバーも加わり、事務所が取り扱う業務分野は多岐にわたります」と、村中徹弁護士。関西の企業の厳しい要求に応えるべく、訴訟を中心とする紛争解決に励む中で、各弁護士のスキルが鍛えられるという。宮本圭子弁護士は、「入所3~5年目まではゼネラリストとして、訴訟を含めてオールラウンドに執務し、その後、各自が専門分野を追求するのが第一のやり方。各弁護士が訴訟を経験することで、紛争以外の案件においても立証の課題をイメージしながら適切に対応することが可能であり、予防法務にも有意義。案件の難易度に応じて専門性を有する他の弁護士から柔軟に協力を仰ぎ、最終的にはクライアントと事務所が“面で付き合える※1”のが第一の強み。どんな場面でも基礎にあるのは訴訟となった場合の課題を意識したアドバイス」と語る。
「クライアント第一」に、フレキシブルな執務体制で臨む第一法律事務所。それは事務所運営についても同様で、いわば「ボトムアップ型の組織づくり」が定着している。「第一ではパートナーとアソシエイトとの垣根がほとんどありません。事務所運営のためのルールにおいても、アソシエイトが気付いて『こうしてはどうか』と出した意見は、合理性があればすぐに実現します。アソシエイトが業務の改善などについて意見提案することを是として、積極的に主導することを良としており、業務運営にアソシエイトがこれほどかかわれる事務所は少ないでしょう」(福本洋一弁護士)
2007年の東京事務所開設も、若手が主導して実現した。本社機能を関西から東京に移すクライアントが増えたことや、霞が関の監督官庁との折衝案件の増加も一つの契機であったが、渉外部門の強化を見据えた判断でもあるという。
「同期の村中弁護士に請われて事務所に参加し、彼と共に東京事務所を立ち上げました※2。国内の企業法務案件に加えて、企業不祥事への対応やクロスボーダー取引に関するご相談も増えています」と話すのは、元東京地検特捜部検事の柳原克哉弁護士。
大阪事務所の山本和人弁護士を中心とする渉外部門に加えて、昨年7月には、外資系法律事務所で経験を積んだ楠啓太郎弁護士も参加。
「第一のクライアントファーストでアットホームという文化は共有しながら、東京事務所としての個性もどんどん出していきたい。そのための意見を遠慮なく言える風土が魅力的だ」と楠弁護士。大阪と東京を兼任する村中弁護士は「両弁護士の参加で、経営に対する“スピード感”が加わり、将来のための投資への積極的な取り組みが始まるなど、大いに触発されている。こうした新たな刺激を大阪にも還元しながら、シニアのパートナー層の知見を財産に、“若手主体で機動的にかじ取りする事務所”として発展させていきたい」と語ってくれた。